顧客管理の難しさ

私は以前、誌面媒体やテレビ媒体を使った通信販売会社に長年勤務していました。
その会社は設立当初、役員を除くと従業員は3名ほどの小さな規模でした。

設立当初のスタッフの中で、私が一番パソコンの扱いに慣れていたので、文書の作成、広告やパッケージのデザイン、社内ネットワークの構築など、あらゆることを一手に引き受けていました。
業務過多だと思われるかもしれませんが、まだそれほど会社も忙しくなく、他にできるスタッフもいなかったので自分のペースで仕事を任されていました。その頃は、売上と業務の効率を上げることが最優先事項と考えていたのと、直接販売よりも卸売のウェイトが大きかったので、顧客管理については全く考えていませんでした。

数年経ち、直接販売のウェイトが大きくなり、その頃から顧客管理ソフトを導入することとなりました。
最初は数万円で市販されているものを利用しました。
通信販売会社用に特化されたものではないので、住所録と販売履歴と対応メモを入力する程度のものです。
ネットワーク非対応のスタンドアローンタイプのソフトでしたので、顧客数が多くなると業務に支障が出るようになりました。

その頃は社員も増え15名くらいの規模になっていたので、社内ネットワーク対応のソフトに切り替えました。
当然今までの顧客データを新しいソフトに移行する必要がありました。
私が顧客管理について考えるようになったのはこの頃だったと思います。

取り扱う顧客情報に対して、セキュリティー面や販売促進面などあらゆることを考えるようになりました。
特に販売促進面に関しては、初期仕様では機能が不十分でしたので、メーカーにソフトのカスタマイズを依頼しました。

通信販売会社の場合、顧客から注文を受け商品を発送するまでに、多くの部署がそれぞれ欲しい情報が異なってきます。
例えば受注する部門でしたら購入履歴や対応履歴、発送部門でしたら受注内容、経理部門でしたら受注日と受注金額や支払方法、販売促進部門でしたら広告媒体別の売上など、部門によって必要とされる情報が違うのです。

ソフトをカスタマイズする費用を抑えるため、どのようにすれば各部門の要求が多く満たされるかを思案したものでした。
また、ソフトメーカーとの打ち合わせには専門的な内容も出てきますので、データベースに関する書籍も何冊か読み知識を深めました。

最近ではクラウド型のソフトも充実してきているので、顧客データを社内に置くのかクラウド上に置くのかも検討課題となるでしょう。

顧客を管理するということは、ただ顧客情報を一元的に保存しておくということではありません。
得た情報のセキュリティーを守って、会社のためにどう使っていくのかを考えないといけないのです。
それにはシステム設計も必要となりますし、情報漏洩を防ぐための社員教育も必要となります。

私は、顧客情報を管理するシステムは、なるべくシンプルであった方がいいと思っています。
その方が扱うデータ量も少ないため、システムに対する負荷も少なく済みます。
また、万が一情報が漏洩した場合でも、被害が最小限に留まるからです。

しかし、広告媒体も顧客へのアプローチ方法も多種多様となった今、その会社にとってどのようなシステムを用いて顧客を管理するのがいいのかは、すぐに答えは見つからないと思います。
私は顧客管理の難しさについて、管理ソフトの設計を通じて考えさせられました。

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